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ジョンソンコントロールズとタイコ、統合を発表
ビル管理システムとエネルギー分野において独自の地位を持つグローバルリーダー企業を創出

【2016 年1月25日 米国ウィスコンシン州ミルウォーキーおよびアイルランド・コークより発表】

グローバルな多角経営企業であるジョンソンコントロールズ(NYSE: JCI)と防火・セキュリティシステムのグローバルプロバイダーであるタイコ (NYSE: TYC)は本日、ジョンソンコントロールズがタイコを統合し、ビル管理システムおよびテクノロジー、統合ソリューション、蓄電池業界におけるリーディングカンパニーを設立することに合意したことを発表しました。

両社取締役会の全会一致の決議によって承認された合意条件に基づき、ジョンソンコントロールズの株主は統合後の会社の全株式の約56%を保有するとともに、合計で約39億ドルの現金を受け取ることになります。タイコの株主は、統合後の会社の約44%の株式を保有することになります。

ジョンソンコントロールズの会長兼最高経営責任者(CEO)アレックス・モリナローリは、次のように述べています。「今回のジョンソンコントロールズとタイコの統合は、当社が市場を牽引するグローバル多角経営企業となるための変革における第二フェーズにあたります。タイコの持つワールドクラスの防火・セキュリティ事業はジョンソンコントロールズのビルディングシステムズの事業基盤に合致するものであると同時に、当社の全てのビジネスを世界規模でさらに成長させることができます。今回の統合によって、当社はグローバルな投資能力を拡大し、お客様のために革新的なソリューションを新たに開発するとともに、株主の皆様により多くの利益を還元いたします」

タイコの最高経営責任者(CEO)であるジョージ・R・オリバー(George R. Oliver)は次のように述べています。「タイコとジョンソンコントロールズとの統合は非常に戦略的で、企業価値を大いに高めるためのステップであり、2つの優れた会社がそれぞれの強みを合わせることによって最高クラスのビル管理技術やサービスを世界中のお客様に提供できるようになります。当社は今回の統合によって、住居やビル、都市で高まるコネクティビティによって生まれる商機をつかむチャンスが拡大するものと確信しています。強固なイノベーションパイプラインと世界各国に有する事業拠点など、世界有数の企業としての基盤を持つ当社がジョンソンコントロールズと連携することによって、双方の会社のお客様や株主、従業員にさらなる価値を提供することができます。」

提案された契約条件に基づき、ジョンソンコントロールズとタイコはタイコ・インターナショナル公開会社(Tyco International plc)として統合し、その後社名をジョンソンコントロールズ公開会社(Johnson Controls plc)に変更予定です。統合後の新会社はニューヨーク証券取引所で株式を上場し、「JCI」の証券銘柄のもと取引される予定です。統合完了後、新会社はアイルランド・コークのタイコの本社所在地ならびにグローバル本社を引き継ぎ、新会社の北米事業における主たる本社は、ジョンソンコントロールズの現在の本社が所在する米国ウィスコンシン州ミルウォーキーとなる予定です。

今回の統合における戦略的理由

統合後の新会社は、制御、防火、セキュリティ、HVAC、電力ソリューション、蓄電池など幅広い分野で業界トップクラスの製品、技術、サービスを展開し、大規模施設や商業ビル、小売店舗、産業用、小規模企業、住居など、多彩なエンドマーケットに提供します。タイコとジョンソンコントロールズのビル業界における基盤を一体化することで、クロスセリング、支店や営業所、販売チャネルネットワークの補完、グローバルな事業展開を通じた、直近での成長機会を生み出し、確立された両社事業の世界的な拡大が実現します。

また、両社の持つイノベーションやパイプラインが一体化されることにより、スマートビルやスマートシティ向けの新製品や革新的なソリューションを提供できるだけでなく、高度なデータや分析力に加えてインフラの統合を通じた建物と蓄電技術の連携によって付加価値の高いサービスを生み出せるというメリットもあります。その結果、新会社はお客様のパフォーマンスやオペレーション全体を改善する、優れたパートナーになることができ、お客様は快適性や安全性、顧客との関係性を一層強化することができます。さらに、統合によって新会社には従来型の鉛酸バッテリーに加えて最先端のリチウムイオンバッテリー技術を備えた世界最大級の蓄電基盤が備わることになります。

ジョンソンコントロールズは現在、成長基盤の中核となるビル管理および蓄電業界に関連する魅力的な分野で市場をリードし、トップ4分の1のグローバル多角経営企業となるための改革戦略を遂行しています。この戦略の一環として、自動車電子部品、内装およびグローバルワークプレイスソリューション事業を売却し、エア・ディストリビューション・テクノロジーズ社の買収、日立との合弁会社設立など、過去数年間で事業ポートフォリオの大幅な変革を進めてきました。2015年7月にジョンソンコントロールズは、2017会計年度のスタート時(10月)を目途にアディエント(オートモーティブ事業)を分社化する計画を発表しています。

タイコは多角経営の持ち株会社の事業再編に伴って、防火・セキュリティ業界における主力製品を中心に据えた事業会社へと変革してきており、ジョンソンコントロールズのビル管理事業基盤とは補完関係にあたります。タイコはトップクラスの製品と世界各国の拠点ネットワークを通じて提供される世界基準の施工技術およびサービス体制を併せ持ち、防火、セキュリティ、安全機器に加えてセキュリティや防火システムの統合、業務用セキュリティ監視事業といった分野で中核的な強みを発揮しています。

両社の株主に対する価値創造

アディエントの分社化に際し、ジョンソンコントロールズは2016会計年度の売上高を約320億ドル、統合による影響を含まない場合のEBITDA(金利・税金・償却前利益、支払利息・税金・減価償却・償却控除前利益)を45億ドルと試算しています。アディエントの2016会計年度の売上は約166億ドル、EBITDAは16億ドルと見込んでいます。さらにアディエントの分社化によって、ジョンソンコントロールズには25~35億ドルの収益が計上される見通しです。

統合完了後の3年間には少なくとも5億ドルのシナジー効果を見込んでいます。これらは業務効率化、重複業務の排除、グローバル拠点ネットワークの統合など両社を合わせて200億ドルを超えるビル管理ビジネス基盤の活用によって達成される見通しです。さらに、今回の統合によって年間で少なくとも1億5,000万ドルの節税効果も見込まれます。

ジョンソンコントロールズの株主は、統合後の新会社の株式の約56%を保有するとともに、合計で約36億ドルを現金で受け取ります。タイコの株主は、統合後の新会社の株式の約44%を保有します。株式の交換比率は、統合後の新会社の株式1株とジョンソンコントロールズの株式1株と同等として、タイコの株主には 30日間加重平均価格に13%のプレミアムを載せた価額、および2016年1月22日時点での市場終値に11%のプレミアムを載せた価額が支払われます。新会社は6億5,000万ドルの統合効果に加えて、統合後の売上拡大が加速することによってさらなる利益の増加が見込まれることから、タイコおよびジョンソンコントロールズの株主は新会社の株式を保有することによって大幅な利益拡大機会を得ることになります。

  手続き完了後、新会社の投資における信用格付けは高評価が維持され、配当の強力な上昇、安定した資本収益、投資による価値創造による、バランスの取れた資本配分を引き続き追求していく見通しです。ジョンソンコントロールズおよびタイコの株主はいずれも、アディエント(ジョンソンコントロールズのオートモーティブ事業)の株式を受け取ることになり、株式は統合完了後に配分されます。アディエントの分社化は2017会計年度初頭(10月)に完了する見通しです。

統合手続きの詳細

統合直前に、タイコは株式併合を実施し、同社株主は既存の保有株式1株あたり0.9550株の固定交換比率で新株を受け取ります。

ジョンソンコントロールズの株主は保有株式1株につき統合後の新会社の株式1株もしくはジョンソンコントロールズの5日間加重平均価格である34.88ドルを現金で受け取ります。株主に配分される合計金額は、統合にあたって支払われる約36億ドル分の現金にあたります。

統合に伴う株式の統合はタイコの株主については非課税、ジョンソンコントロールズの株主は課税対象となります。

タイコは今回の取引に伴う現金の支払い資金として40億ドルの銀行融資を確保しています。

今回の統合は規制当局の承認、ジョンソンコントロールズおよびタイコの株主の承認を含め、慣例的な完了条件に従って2016会計年度末(9月末)までに完了する見通しです。

ガバナンスとリーダーシップ

手続き完了後、新会社はジョンソンコントロールズ側から6名、タイコ側から5名の合計11名の取締役からなる取締役会を招集します。新会社の会長兼最高経営責任者(CEO)にはアレックス・モリナローリが就任します。ジョージ・オリバーは社長兼最高執行責任者(COO)として取締役会に加わり業務運営および統合の指揮にあたります。

統合完了後18ヵ月間はアレックス・モリナローリがCEOを務めた後、ジョージ・オリバーがCEOに就任し、アレックス・モリナローリは経営執行役会長を1年務め、その後ジョージ・オリバーが会長とCEOを務めます。

今回の取引にあたり、ジョンソンコントロールズの主幹財務アドバイザーはセンタービュー・パートナーズが務め、バークレイズが財務アドバイザーを務めます。ジョンソンコントロールズの法務顧問は

ワクテル・リプトン・ローゼン・アンド・カッツおよびA&Lグッドボディが務めます。

タイコの主幹財務顧問はラザードが務め、シティが取引に伴うファイナンス手続きを担当し、ゴールドマン・サックスが財務アドバイザーを務めます。タイコの法務顧問はシンプソン・サッチャー・アンド・バートレットおよびアーサー・コックスが務めます。

1四半期決算報告

本日の発表の一環として、ジョンソンコントロールズとタイコの両社は2016年度第1四半期決算の業績発表を行いました。ジョンソンコントロールズの第1四半期の調整後の1株あたり利益は当初見通しの0.80ドル~0.83ドルに対し0.82ドルとなり、タイコの特別項目計上前1株あたり利益は、当初見通しの0.40ドルに対して0.42ドルとなる見通しです。

 

米国ジョンソンコントロールズ インクについて

ジョンソンコントロールズは、世界150ヵ国以上のお客様に多様なテクノロジーを提供する、業界トップクラスのグローバル企業です。13万人の従業員が、ビルのエネルギー効率や運用効率を最適化する質の高い製品、サービス、ソリューションをはじめ、自動車用鉛酸バッテリーおよびハイブリッド車・電気自動車用先進バッテリー、自動車シートコンポーネントの開発に取り組んでいます。ジョンソンコントロールズのサスティナビリティへの取り組みは、創業のきっかけとなった初の電気式室内サーモスタットが発明された1885年にまで遡ります。成長戦略とマーケットシェアの拡大によって、ジョンソンコントロールズは、株主への価値の提供と、顧客の成功の支援に取り組んでいます。また、2015年にコーポレート・レスポンシビリティ誌(Corporate Responsibility Magazine)の「企業市民100社」で、当社は第14位に選定されました。詳細はhttp://www.johnsoncontrols.comをご覧ください。

 

タイコについて

タイコ(NYSE: TYC)は防火およびセキュリティシステムを専業とする、世界最大のグローバル企業です。全世界で300万以上のお客様に最新の防火・セキュリティ製品やサービスを提供しています。現在、50ヵ国900ヵ所の事業拠点に57,000名を超す従業員を擁し、商業施設、企業、官公庁、小売、産業、エネルギー、住居、小規模企業など、多彩なエンドマーケット向けにビジネスを展開しています。詳細についてはwww.tyco.comをご覧ください。

 

≪報道関係の方々からのお問い合わせ先≫

ジョンソンコントロールズ株式会社

ビルディングシステムズ 広報室 村井(むらい)、平野(ひらの)

TEL: 03-5738-6054  FAX: 03-5738-6508 mailto:jp.pr@jci.com

 

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